東京都の養子縁組(3)
夏の暑い日のこと、私達夫婦は平日の2日間10〜16時に東京都子供家庭総合センターで行われた「里親認定前研修」に参加していました。
ここでは特別養子縁組を前提とした「養親」とそうでない養育を目的とした「里親」の両方の認定の為の研修を一緒にやり、2日目の午後にそれぞれに別れます。ここでいう「養親」は、戸籍も自分のとこに入れる子供を持ちたい親で、「里親」は独り立ち出来るようになるまでの一定期間その子を家庭に受け入れるというホストファミリー的なものです。我々はもちろん前者希望です。
研修は、分厚いカリキュラムに沿って各分野の講師が行います。東京都の養子縁組の制度、預けられる子供と実親の実態、児童の身体や心の勉強、親同士のコミュニティーの紹介と多岐に渡っていました。
カリキュラムを追記します。
1日目:
- 社会的養護・行政説明(1h)
- 用語原理(1h)
- 小児医学(1h)
- 発達臨床心理学(1.5h)
2日目:
- 児童福祉論(1h)
- 里親養育援助技術(1h)
- 先輩家庭体験談(以下は養親希望者のみ)(0.5h)
- 助言(0.5h)
- 特別養子縁組〜家族を迎える〜(1.5h)
- 質疑応答(0.5h)
面白いものもあれば、退屈で眠くて仕方の無いものもありました
広い会議室で、おそらく満席状態。年齢層は、やはり40代が多いように思います。
そうそう、この制度は50歳までが里親対照ですが、やはり若い方のほうが優先なのだと児相の担当者が言っていました。また、私達が登録した時、この管轄では7組のご夫婦が養子を待っているという話でした。
ごめんなさい、正直、一年以上前で記憶が定かではなく、残してある資料を読み返してここに書くほど面白い内容でもないので、印象深かった事だけを書いておきます。
養育里親になると、養育費が結構貰えるらしい…。
http://child-abuse.main.jp/youikuhi-teate.html
上にリンクをはるのはどうかと思ったのだけど、他に金額の書いてあるサイトがなく暫定ではります。 お金目当てで里親になり、その後、虐待などないように、認定が厳しくなっているのだ。養育にはお金も手間もかかる。善意と覚悟なくして里親になどなれないはず
先輩養親さんの話
2日目の午後に、11年前に養親となったA子さんの体験談を聞く事が出来ました。ほんわかしたお喋り好きな可愛いお母さんです。フレンドリーに「なんでも応えますから質問してください!」と仰ってくれました。ご自身の身体の理由で妊娠が望めず、児相を訪ねました。この話がとても素敵だったので、覚えてる限りで書いておきます。
A子さんはとても頻繁に児相に電話をしました。児相の担当者も言っていましたが、やはり、積極的な人のほうが、たまたま話が出てきた時、持って行きやすいとの事でした。
ある日、児相からの連絡で女の赤ちゃん(確か1歳になるかならないか…)が養子候補としてやってきたという事でした。
A子さんは、その赤ちゃんに会うため、さっそく乳児院に出向きます。そこで、数人の赤ちゃんの中に、その子がいたのですが、ガラス越しに見ていると、その子とバッチリと目があい見つめ合ったのだそうです。それは、何か「私はあなたの家に行くのよ」と言われたような…、運命を感じる瞬間だったそうです。
それからというもの、いける限り毎日、A子さんは乳児院に通いました。
(乳児院では、その親と子がうまくいくであろうかを時間を掛けて見て判断し、次の段階、お泊まりや外出などに進みます。)
A子さんは仕事を持っていましたが、会社に事情を話し、乳児院に立ち寄ってから出社をしました。
ちなみに、、その当時は緩かったのでしょうが、現在は、子供を保育園に預ける事は許されない…はずなので、夫婦のどちらかが専業主婦である必要があります。
小さな子供というのは、1週間も顔を出さないと、すぐに大人の顔を忘れて泣き出したりするようです。もし、「この子」と決心したのでしたら、A子さんのように日参する努力が必要ですね。
しばらく通うと、女の子はA子さんを自分のママとして扱い、他の子が近寄るのを嫌がるようになりました。
質疑応答では、「養子であると他の親御さんに言っているか?」との問いに「言っていない。たまに困るのは、出産に何時間かかった?という話題」と言って笑わせてくれました。
血縁がなくても、こんなにいい関係を築けている話を聞いて、なんだか勇気のわく私でした。
続きはまた〜