(16)常在菌


【30日目】(入院1日目はこちら)

翌朝、早朝携帯に病院から着信。

「何かあったら電話します」と言われていたので、何かあったのだと思った。

「ジュン君の容態が変わりました。詳しい話を医師からしたいので来て貰えませんか?」

すぐに身支度をしてタクシーに乗る。区から妊娠祝いで貰ったタクシー券、こんな時に大活躍だ…。
40分後には病院にいた。

担当のH先生は出向で他の病院に行っているとの事で、違う医師から話を聞く。困ったような顔をしている。

「皮膚から常在菌(誰にでもいる菌)が見つかりました。手術をすると、そこから悪化させてしまう可能性が高く、出来なくなりました。これから菌を倒す薬も投与して様子をみます。」

ふーーん。そうなんだ。今は出来ないって事でしょ?それがそんな深刻なの?

わざわざ早朝に電話してくるような重大な事とは思えず、少し拍子抜けをしました。

しかし、よくよく話を聞くと、

手術をしない事で、悪い血が体全体に巡っている状態が解消出来ない。
そして、それが原因と思われる肝機能障害で排便排尿がうまく出来ず、体がどんどん浮腫んで行っていた。

とにかく、良い状況では無い…という説明で、
息子の為に何かしてあげたくて、自宅近くの氏神様にお参りに行く。丁度台風が来ていて、雨風がすごい。
入院する前、あんなに暑かったのに、今は寒さを感じていた。
可愛いお守りをいただいて、ダンナは職場に、私は病院に戻る。息子の保育器の周囲にはパーテーションが置かれ、私達が心おきなく過ごせる環境が作られた。この病院の方々の気配りには本当に感謝。

その後、H先生から改めて病状を聞く。
「常在菌はもしかするとお腹の中で感染したのかもしれません。」と言われる。

ジュン君の体はただれてところどころ血が出てきていた。白いクリームを塗られている。
肝機能が悪くおしっこも出ていないから体がパンパンに腫れ、色も悪くなっていた。
なんだか、これ以上の治療が可哀想で涙が出てくる。
「見ていられません」と言った。

「ジュン君、すごく頑張っているので、我々もできる限りの治療をしたい」と、
棒読みのセリフのような言葉をH先生から何度も聞いた。

この状態をホントに危篤状態というのだろう。
「24h面会出来るようにお部屋を用意します」と看護師さんに言われるが、
いても何も出来ないし、犬の事もあるのでこの日は家に戻った。

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