(19)最後の朝


【33日目】(入院1日目はこちら)

生後10日目

NICUで迎える2日目の朝。5時頃目が覚めてジュン君に会いに行く。

心拍の数値を見て、はっとする。90以下(昨夜まで110あった)になっていた。

ああ、もう、もたないのだなぁ…。さよならなんだ。

看護師のTさんに
「今日、逝ってしまうんでしょうか?」と聞くと、それについては何も応えない代わりに、夜中に心拍がかなり下がって、又、違う処置をしたと話す…。
本当に、病院側は十分やってくれたと思う。
そして息子も十分頑張って生きたと思う。
なので、「ありがとう」「がんばったね」「えらかったね」と何度も伝えた。

しばらくするとダンナも起きてきて、やはり心拍に驚いていた。
「もう心拍のテープが汚れていて正確に読めていないので、実際とは違うのですが…」と言う。

心拍計は心臓の部分に張り付いていたが、汚れや湿気で剥がれかかっていた。
貼り替えないのは、それで皮膚を傷つけてしまうからだろう。

ダンナが来るのを待っていたかのように、心拍はどんどん下がっていった。
しばらく、音楽をイヤホンで聴かせたり、子守歌を歌ったり、思い出せる限りの昔話を聞かせたり、ミルクをあげたり、出来る精一杯の事をして過ごす。

「おじいちゃんおばあちゃんを呼びますか?」と聞かれて、
「3人で過ごしたい」と応え、母とダンナの両親に電話をした。

H先生から、「ジュン君、抱っこしてあげてください」と言われ、
点滴を外してもらい抱っこした。羽根のように軽い。
呼吸器はH先生が手動のポンプで送ってくれていた。

続けてダンナも抱っこする。三人で記念撮影もした。泣き上戸のダンナはずっと泣いていた。

それまで「頑張れ!」と応援しかしなかった彼が、「ジュン。パパ、幸せだったよ」と言った瞬間、心拍は0になってしまった。

先生が何か言って、呼吸器を動かすのをやめ、「ご臨終です」と言われる。

息子の戦いは終わった。本当に頑張ってくれた自慢の子だった。

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