(11)息子誕生
【25日目】(入院1日目はこちら)
分娩室で3〜4時間。小児科の処置が終わるのを待っていた。
「男の子なんだってね」とダンナ。
「えっ!?」と私。
産まれてすぐ連れ去られ、誰も子供についての情報を教えてくれなかったのだ。
ダンナによれば、やはりお酒を飲んで爆睡していたところ、病院から自宅に電話があり、
「男のお子様が生まれましたので来て下さい。」と言われたそう。
これまでの検診で度々「女の子ですね」と言われ続けたし、突然だったし、
間違い電話かと思った…と(^^;
午前4時頃、階の違う小児科NICUに呼ばれた。
入院してから、自分の足で産科病棟の外に出るのが初めてで、ちょっと感動する。
NICUへは更衣室で青い紙の服を着て手を洗って部屋に入る。
赤ちゃんがたくさん寝ているNICUは、全体的にハッピームードで驚いた。医師も看護師もニコニコしている。おそらく、、今までいた産科では「あーー、こんなに早く産まれちゃって可哀想…。」という目で見られていた。なんとなくハレモノに障るような状態であったのが、
小さいのが当たり前のここでは「新生児のママ」と見られていたのだ。
「おめでとうこざいます」
という言葉もこっちで初めて聞き、
「あ、私、喜んでいいの!?」と思った。
宿直のT医師から、「処置はうまくいきましたが油断は出来ません」云々…というお話がある。
「何か疑問点ありますか?」と聞かれ、
「男の子だったんですか?」と聞く。
「ははは。ちゃんと立派なオチンチンが付いてましたよ(笑)」と和ませてくれる。
後から息子のモノを見ると、ぜんぜん立派じゃなくて…(^^; これじゃあ見逃すなぁと思った。
小さすぎていじめられやしないか…そんな心配をするママであった。
医師のお話を聞き、いろんな治療の為の書類にサインをし、いよいよ息子と対面。
NICUの中でも隔離された一室の保育器の中に、他の保育器の小さな子よりも、もっとちいさな赤ちゃんがいた。
でも、自分のお腹の中にいたのか…と思うと、大きい気もした。
裸で赤黒い肌。黒いのは処置の時にどうしても鬱血してしまったもので、そのうち治るとのこと。金色の産毛に覆われている。目は25Wくらいで開くそうで、まだす〜っと切れ目が入っているだけである。
口に管、足や手に点滴。手は暴れないように固定されている。
それだけで可哀想で見ていられず…。見れば見るほど不安で可愛いという感じを抱けなかった。
NICUは午後2時から8時面会可だという。退院してからは、その時間に母乳を持ってきて欲しい。と言われる。
数日間お世話になり、いろんなパパママが赤ちゃんを抱っこして母乳をあげているのを見た。
この人達も、数ヶ月前、同じような思いをして、今があるのだ。
私達の子も、ここまで大きくなるのだ。と、思いたいが、何故か思えない…。不安だらけの数日だった。
分娩室に戻りしばらく眠る。ダンナは会社の日だったがお休みをとり、昼過ぎに、区役所か保健所か、息子の治療に必要な書類をあつめに行った。
母がやってきてくれた。しばらく居て、また我が家の氏神様にお参りに行ってくれる。
私の診察があり、「問題なし」との事で、シャワー・院内外出OKとの事になった。ようやく行きたかった売店、コンビニに行ける!! 外の景色が見れる!!
母、ダンナ、夕方再来。三人で赤ちゃんを見に行く。
最初に見た時より、血色も良く、呼吸が落ち着いて見えてほっとする。がんばれ〜!!!
夜ひとりになると悪いことばかり考えてしまう。
早々に搾乳を始める。最初はあんまりでないそうだが、私はわりと出ていて、めずらしいそうだ。
母乳は前の繫留流産の後もかなりでて困ったし、もともと出やすい体質なのかもしれませんね。