七日間詣の二日目

Oさんに言われて七日間詣をしている。

 

うちの氏神様は鳥居から神殿までの距離が結構長い。都内でこれだけの敷地ってなかなか出会えないのではないか。

その日、真っ直ぐ伸びた薄暗い参道の向こうに、お宮参りの家族がキラキラと輝いて見えた。幸せで溢れんばかりの夫婦と新生児と祖父母。赤ちゃんはお祖母ちゃんが抱っこしている。

一瞬、「やば」と思った。

こういうお目出度いシーンに出会うと、妊活中は重苦しいムードが勝手に私の周囲を覆っていたからだ。

しかし、じっと見ていると、その姿が私とダンナ、ダンナの両親の姿に置き換わって見えたのだから不思議だった。

これも何かのメッセージだろうか?ジュン君が見せている幻だろうか?

考えてみれば今からトライしようとしている養子縁組の話も、トントン拍子に進めば新生児が我が家にやってくるワケで、お宮参りをする日は近いのかもしれないのだ。

そう思えば、彼らに親近感も沸いて来た。

さて、気を引き締めてお参りお参り、

お手水で手を清め、、神殿のほうに進んだその時

「すみませ〜ん!」

と若い母親に呼ばれる。

「?」

「シャッター押してもらえますか?」

え…? 私、今から神様に挨拶行くんだけど、

手を清めたところですけど、見えませんでした?終わってから…とか気を遣いません?

と、戸惑うも…快諾

すると、家族を前に立たせて位置決めをした後 iPhoneを差し出し、「神殿の屋根が全部入って、脚元も全部入るようにしてください。何枚か撮ってください。」と注文が続く。

うーむ。母は強しというが。。

言われた通りに何度か撮る。私もiPhoneだから逆光の部分をタッチして明るくし、そこそこ上手く撮れたと思う。母親に見せると、「あ、いいんじゃない?」とダンナとiPhoneをのぞき込んでいた。

やれやれ無罪放免 去り際に赤ちゃんの顔を見ると、安らかに眠っている。とても綺麗な子だ。

同じく美しいお祖母さんが私にお礼を言うので、「おめでとうございます」 と声を掛けた。

その後お参りをして参道を戻る。

振り返るとまだ写真撮影中。お母さんも着物だし、写真をたくさん撮りたいのだろう。年賀状にもするのだろう。

そんな二日目のお参りでした。