人はそれぞれいろんな問題を抱えている(1)

治療とは関係ない話です。長そうなので(1)としました。

週2回行っている会社に、Nさんというおっとりした女性がいる。

実は私はこの会社に行き始めたとき、Nさんの業務をやっていて、あまりに過酷な労働であったため、辞めようと思い立ったところ、違う部門で続けられる事になったという経緯がある。私の前にも2ヶ月間で3人が辞めているその業務。

私は、「Nさん半年も続いていて、すごいな〜」と感心しつつ、お昼休みもとらず、どんどんやつれていく様子を心配して見ていた。

先日、帰宅しようとロッカールームに入ったとき、「コンコン」とノックする音。

はて?みんな自分のカードキーで入ってくる部屋なのに、忘れたのかな? と開けようとすると、鍵が開いてNさんが入ってきた。

「どうしたんですか?」と聞くと、

「頑張る嫁さん〜…。私、何か言われてますか?

と聞かれる。

実は、同じ日。このオフィス内で一番エライ人K氏から私は呼び出され、Nさんの事を相談された。

「あの業務ね、赤字なんだよね。それで、彼女はどうも能率が悪いしミスが多いから辞めさせたいって部長が言っているんだけど、あの仕事はこれまでもクビを切ってきてるし、簡単に人のクビをすげ替えるっていうのはどうかと思っているからSTOPさせてるんだよ。これは人を変えて片付ける問題じゃなく、業務のシステムを簡略化すればいい事なんじゃないかって思う。」

う〜ん。さすが。ノンキャリで省庁出身の苦労人 K氏は、冷静に見てる。

K氏と私は偶然にも同じ中学出身で、意外と気が合う。

私も業務工程が多すぎる事が一番の問題だと思っていると言った。もっと簡略化…。先日行ったグループウェアのセミナ−、ああいうの、活用出来ないだろうか?

K氏は「実は部長は4月に交替するんだ。そうしたら、T1さんも外して、新しい部長に業務を見直させようと思ってるから、その時はよろしく」

と言う。

T1さん…。こいつが一番の悪人である。

そもそも、この業務工程はT1さんと部長が造りあげたもの。市役所で働いた経験のあるT1さん、それはそれは細かく、決め事を決め、それを私達にやらせていた。

しかし、それを丁寧にやっていると、いただいた手数料では赤字になってしまうというお粗末な結果になっている。

T1さんは自分の決めた工程が悪いとは認められない。

それで、部長に「彼女は使えない。ミスが多い。」と言うと、成果を出したい部長も「そうか」となる。

と、話がそれたが、ロッカールームに戻そう。

そんなK氏との話があったので、「私、何か言われてますか?」と聞かれた時、「T1さんと部長に?」と言った。

すると、「T1さんとT2さんにです」とNさん。

そういや、午後、T1さんがT2さんの席に来て、K氏の悪口(いつもの事)をこしょこしょ言ってたなぁ。T2さんと私の席は近いので、聞きたくなくてもなんとなく聞こえてくる。

「ああ、あれは、K氏の事ですよ。『本当にボケちゃったんじゃない?』とか言ってたから。大丈夫ですよ!」と言うと、

「違います!私の事も言われてるんです!」と泣きそうな顔になる。

実はこのロッカールームは倉庫とパーテーションで仕切られているだけで、天井部分は開いており、声が丸聞こえなのだけど、倉庫に明かりが付いてたので、「やばい!」と思った。

おそらく、席に居なかったT1さんに違いない。

それで、「隣、誰かいると思う…、お茶でもしてく?」と誘い、そのままロッカーで待った。

待っている時、しばらくすると、男性の声で、「あれ?何してるの?捜し物?」と聞こえた。
返答の声は無かったが、おそらく、T1さんが壁に耳当てて聞いてたんだろう。コワ〜

倉庫の電気が消えるのを待ってロッカーを出ると、丁度Nさんが来た。

Nさんは、「やっぱり、隣に居ました〜(><)T1さんとT2さん。私が席に戻ろうとしたら、T1さんがシュレッダーの所にしゃがみ込んで隠れてたんです〜」

二人で震えながらカフェに移動した。

つづく

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